エアコン修理屋が教えるエアコンの仕組み【図解で解説】

悩んでいる人
悩んでいる人
何気なく使っているエアコンだけど、どうして冷やしたり温めたりできるんだろう?エアコンの仕組みを図解でわかりやすく解説してほしいです。

 

こんな疑問にお答えします。

この記事を読むことでエアコンの仕組みがわかり、ドヤ顔で家族や彼女に説明できるようになりますよ。

本記事の信頼性

この記事は当ブログ管理人のビンゾウが執筆しています。まったくの素人からエアコンを修理する「空調サービスエンジニア」として独立開業しました。見習い期間には空調メーカーが主催する研修でみっちりと空調について勉強してきました。「空調サービスエンジニア」の仕事に興味がある方はこちらの記事をどうぞ。

空調サービスエンジニアはどのような仕事をしているの?

 

それでは早速、図解を使ってわかりやすく解説していきます。

 

エアコンは4つの部品からできている

上の画像の右側にあるのがエアコンの室外機で、左にあるのが室内機です。そして、室外機と室内機が二本の配管でつながっていることを表しています。そして、エアコンの中には大きく4つの部品が入っています。

  1. 圧縮機・・・冷媒ガスを吸入・圧縮し、圧力を上げる役割
  2. 凝縮器・・・冷媒ガスの熱を放出し、冷媒を液化させる役割
  3. 膨張弁・・・液冷媒を減圧し、圧力を下げる役割
  4. 蒸発器・・・周囲の熱を吸収し、液冷媒を蒸発させる役割

上記がその4つです。室外機側に「圧縮機」「凝縮器」「膨張弁」が入っていて、室内機側には「蒸発器」が入っています。エアコンはその4つの部品とそれらをつなぐ配管で構成されています。この4つの部品と配管は密閉されており、この中を冷媒ガスが様々な状態に変化しながら流れていきます。

 

まずは冷媒を圧縮する

エアコンの室外機に搭載されている圧縮機で冷媒ガスを圧縮します。圧縮機から出てきた冷媒の状態は高温高圧のガスの状態です。この高温高圧のガス冷媒は次の凝縮器へと流れていきます。

 

凝縮器で周囲に熱を放出する

圧縮機で圧縮されて高温高圧のガスになった冷媒は凝縮器に流れていきます。このときにファンを回して熱くなった凝縮器に風をあてます。そうすることで中の冷媒ガスの熱が放出されて高温高圧の液の状態になります。この高温高圧の液となった冷媒は次の膨張弁へと流れていきます。ちなみに、冷房時に室外機から熱い風がでてくるのは、冷媒の熱が放出されているからです。

 

膨張弁で圧力を下げる

凝縮器で熱を放出して液状になった冷媒が膨張弁へと流れてきます。膨張弁内部は非常に狭い通路となっていますが出た後は太い配管となっています。そして、急に狭い通路を通った液冷媒が太い配管に入ると圧力が低下すると同時に温度も下がり、低温低圧の液の状態になります。

 

蒸発器で周囲から熱を吸収する

膨張弁で減圧された低温低圧の液冷媒が室内機の蒸発器へと流れてきます。低温低圧の液冷媒が流れる蒸発器は冷たく、そこに室内の温かい空気をあててやることで、冷たい空気が部屋に流れていくことになります。これがエアコンで部屋が冷やされる仕組みです。その時に液冷媒は熱を吸収して蒸発し低温低圧のガスの状態になり、ふたたび圧縮機へと流れていきます。

この一連の流れを「冷凍サイクル」と呼びます。

 

暖房は冷房の逆回り

暖房運転は冷房運転と冷媒の流れが逆になります。つまり室内機側が熱を放出する凝縮器になります。高温高圧のガスが流れる凝縮器は熱く、そこに室内の冷たい空気をあててやることで、温かい空気が部屋に流れていくことになります。これがエアコンで部屋が暖められる仕組みです。

その時に冷媒ガスは熱を放出して蒸発し高温高圧の液の状態になり、室外機の膨張弁へと流れていきます。膨張弁で減圧された低温低圧の液冷媒は蒸発器へ流れ、周囲の熱を吸収して蒸発することで低温低圧のガスになります。そして再び圧縮機へと流れていきます。

 

エコキュートやチラーも「冷凍サイクル」を利用

深夜電力を利用してお湯を沸かして溜めておくエコキュートや、工場などで水を冷やすのに利用されるチラーも実は「冷凍サイクル」を利用しています。エアコンでは凝縮器や蒸発器で空気を冷やしたり温めたりしているけど、チラーやエコキュートは冷やしたり温めたりする対象が水に代わっただけです。

 

「エアコン修理屋が教える」シリーズ

以上、エアコン修理屋が教えるエアコンの仕組みでした。ほかにも「エアコン修理屋が教える」シリーズで記事を書いてますので、興味のあるかたは見てみて下さい。

エアコン修理屋が教えるエアコンの選び方

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